震災を語り継ぐ意義とは・・・
3月4日(月)、5日(火)、1・2年次生対象に、新田副校長による復興教育講演が行われました。新田副校長は、2011年3月11日に発災した東日本大震災発生時、岩手県立高田高等学校に勤務していました。大地震後に発生した約15メートルの大津波により甚大な被害を受けた陸前高田市の状況、避難所となった学校や生徒達について、当時感じたことを振り返りながら伝えていただきました。
「安全だと言われていた市民会館や体育館、市役所等の4階建ての建物はほぼ壊滅状態であった。地震発生が14時46分、津波到達時間15時23分で、37分間の行動が生死を分けることとなった。高田高校の野球部屋内練習場が避難所となり、被害を受けた方々が身を寄せ合い、家族の安否確認を行っていた。校内にいた生徒は高台やグランドに避難。水泳部の生徒が避難場所に指定されていた市民会館に避難し、十数名が犠牲者となった。当時水泳部だった菅野さんは、3月とはいえその日は雪が降る寒い日に、狭く苦しい壮絶な状況下で翌日まで救助を待った。市民会館には約200名が避難し、助かった方は12~13名だけであった。」
「震災後に必要なものとは…
(1) 相手を思いやる気持ち
(2)少しだけ前に進もうとする勇気
(3)笑顔
そして、何よりも命があることが大切。生きているだけで誰かの希望となっていること、誰かを幸せにすることにつながっている。」
今、改めて命の大切さ、生きていることの尊さについて考える機会となりました。
生徒の感想より
私は震災の時、大船渡にいたので他の人よりは記憶が残っていると思います。津波の映像は見ることは難しいのですが、実際にあったことをちゃんと認識していたいという想いもあります。先生が「震災の時、何を持っていきますか」という問いに、私は真っ先に命だと思いました。他の人を助けようとして自分の命を落とした方も多い。だから私は、自分の命を持っていかなければならないということを何度も様々な場所で聞いてきたからです。3月11日には、そのような人たちの気持ちを改めて考え、思いやりを持っていきたい。