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全校生徒が祝福  桜陵生九十六名の新たな旅立ち

 3月1日、全校生徒、保護者、来賓の方々の祝福を受け、総合学科第16回生96名が本校を卒業いたしました。卒業生一人ひとりの穏やかで清々しい表情からは、三年間のコロナ禍においても真摯に課題に向き合った高校生活の充実感を読み取ることができました。
 上野光久校長の式辞を一部抜粋して紹介します。

 皆さんが入学したのは、令和二年四月八日。「新型コロナウイルス感染症」の未知な不安の影響を受け、入学式をはじめ、日常においてもマスク着用が当たり前になり、相手の表情も常にマスク越し、無邪気さやバカ騒ぎのようなことが抑えられた日々でした。それでも皆さんは懸命に柔軟に対応する姿がありました。若さゆえの柔軟性で行動変容する一方、真摯な行動は地道に継続しています。例えば、横断歩道を渡った後に、停まってくれた車のドライバーにお礼のお辞儀をするのは、まるで大人を励ましているかのようです。その他にも、一戸まつり、産業まつり、認知症カフェなどの地域活動への参加協力やボランティア参加、個人としてもSDGs未来カフェ、自転車ラック製作と設置など、皆さんは地域の大人の希望そのものです。皆さんは本当に素敵です。皆さんのその柔軟性と真摯さは、いつか必ず実を結びます。なぜなら、そういう人を周囲は応援したくなるからです。これからもその姿勢を大切にして生きてください。
 素敵な卒業生の皆さんに、人生の先輩として、私から二つの言葉を「はなむけ」として送ります。
 一つは「フレームワーク」です。一般的には「概念や規則、法則などを活用し、問題解決や意思決定を行いやすくするためのテンプレート」を意味し、「PDCA」(Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善))はその代表と言えます。「PDCA」は考え方のプロセスでもありますが、例えば、本日の卒業式の準備のような連続した業務についても当てはめることができます。在校生や先生方がそれぞれの役割をステップとしてしっかり準備したからこそ、さらに主役である卒業生の皆さんがこうして立派な態度で式に臨むからこそ、素晴らしい卒業式になるのです。問題解決や意思決定も同様です。
 もう一つは、「恩送り」です。まだ私が十代の頃に、恩師が私に色々教えてくれたり、物をくれたことは「恩送り」でした。恩師が言うには、「自分も先輩や目上の人からされたからやっているだけだ。上野君も次の世代にすればいい」と言うのです。「恩送り」とは、直接返せない恩を別の人に返すことなのです。そうすることで世代を超えた恩の循環ができていくのです。ぜひそういう人間関係を作り、そういう人間関係の中で生きて欲しいと思います。これまで、保護者や家族の方々、地域の方々に大小様々な恩をいただいてきたはずです。そのことに感謝し、いつか、誰かに、その恩をお返ししてください。

 卒業生を代表し、人文・自然系列村里和香さんが答辞を述べました。(一部抜粋)

 振り返ってみると、楽しかったこと、悔しかったことも含め、一人ひとり違う自分だけの思い出が蘇ってきます。今ここにいるのは、本校に入学した日から新たなことを学び、挑戦し、成長した私たちです。後輩の皆さんには、学校のこと部活動のことも含め、もっと楽しい企画、楽しい部活動を目指し、さらに充実した活動になるよう、頑張って欲しいです。
 高校生活最後の1年間は、進路について自分自身とじっくり向き合う日々でした。卒業間際まで戦っていた仲間もいます。合格までの道のりは決して楽なものではなく、辛くなり、投げ出したいと感じることもありました。それでも乗り越えることができたのは、共に頑張っている仲間からの「がんばれ」「お疲れ様」という言葉があったからです。
 そして、私たちを見守ってくれた家族には感謝の気持ちでいっぱいです「相談にのってくれる人がいる」「自分は一人ではない」と感じることができました。未来に向かって一生懸命進んでいく私たちの姿をどうぞ見守ってください。辛いことや悔しいことを共に乗り越えてきた仲間、支えてくれた先生、事務職員、技術員の方々、地域の方々、そして家族への感謝を忘れず、本校の卒業生であることに誇りを持ち、それぞれの場所で活躍できるよう頑張ります。

R4 卒業式 式辞
R4 卒業式 答辞


R4 卒業式 卒業生退場